岩手県のNさんはお若い男性でした。早くにお母さんを亡くされ、「自分自身を善財童子に、善女竜王を母に見立てて彫り、十一面観音に自分と母が抱かれる形」を強く希望されました。東日本大震災の前後での制作になり、一時連絡不能になりました。お約束の納期が過ぎ、やむを得ず我が家の玄関にお祀り(写真)して半年後に連絡がありました。思い出深い大作とのお別れが今でも忘れられません。
<十一面観音150cm、善女竜王120cm、善財童子120cm ヒノキ 褐色>
原作:高賀神社(岐阜県関市)蔵 十一面観音221cm、善女龍王176cm、善財童子175cm